個人が苦しくなった理由とは?“働く人”を取り巻く30年の変化


「自分だけがうまくいかない…」と思ったことはありませんか?
  • 仕事はちゃんとしてる
  • 家族もいる
  • それでもどこか、満たされない

もしあなたがそんなふうに感じているなら、それは“あなた個人の問題”ではないかもしれません。

実はこの30年、日本社会の“しくみ”そのものが変わってきました。
特に「働く人」にとっては、気づかないうちに重たい負担がのしかかっていたのです。


雇用の常識がガラッと変わった

かつての日本では、

  • 「年功序列」
  • 「終身雇用」
  • 「会社は家族」

という価値観が当たり前でした。

でも1990年代後半から、会社側のコスト削減や世界的な経済の変化により、
非正規雇用(パート・派遣・契約社員など)が急増しました。

🔹 1990年:約20% → 2020年代:全労働者の約40%

これは、「会社に尽くせば一生安泰」という神話が静かに崩れていった時期でもあります。


「働いても豊かになれない」のはなぜ?

実感があるかもしれませんが、
ここ30年、日本では実質賃金(=物価を考慮した本当の給料)が、ほとんど伸びていません。

むしろ世界各国が上昇している中、日本だけが取り残されています。

  • 給料が増えても、物価や税金で手取りが減る
  • 貯金しても金利がつかず、お金が増えない
  • 頑張っても生活の余裕が感じられない

これが、「努力が空回りしている気がする」正体です。


社会保障の不安と、教育費のプレッシャー

  • 高齢者の増加 → 年金や医療費の自己負担アップ
  • 子どもの教育費 → 大学無償化は一部だけ、私立志向も進む
  • 将来の介護や老後 → 「自分でなんとかして」と言われる時代に

こうした「見えない圧力」が、じわじわと家計や心のゆとりを奪っていきました。


私たちには“選べる自由”がある

ここで大事なのは、落ち込むことではなく、「選べるものが増えた」と気づくことです。

  • 転職が当たり前になった
  • 副業やフリーランスという道もある
  • テレワークなど働き方の選択肢も広がった
  • お金の知識を身につけて資産形成を始める人も増えてきた

「かつての日本」と違って、“生き方のカスタマイズ”ができる時代に、私たちは立っているのです。


今日から何を変えるか?

一気に人生を変える必要はありません。
でも、「このままでいいのか」と感じたなら、それは最初のサインです。

たとえばこんな問いかけから始めてみてください

  • 今の働き方は、自分の価値観に合っているか?
  • 10年前の自分と比べて、何が変わった?何が変わっていない?
  • 「この先も大切にしたいもの」は何だろう?

まとめ→苦しさの原因を知れば、自分を責めなくてすむ

あなたが感じている“しんどさ”は、個人の責任ではありません。
でも、「この先どうしたいか」を選べるのは、あなただけです。

失われた30年を知ることで、私たちはようやく、
“自分の人生を自分で選ぶ”ためのスタートラインに立てるのかもしれません。


💡専門用語のやさしい解説(今回登場した言葉)

用語意味
終身雇用一つの会社に定年まで勤める雇用のスタイル。かつての日本では当たり前だった。
年功序列年齢や勤続年数に応じて給料や役職が上がる制度。努力より年数が重視された。
非正規雇用正社員ではない働き方(パート、派遣、契約社員など)。収入や保障が不安定になりやすい。
実質賃金物価の変動を考慮した「本当に使えるお金の価値」。名目の給料が増えても、物価が上がれば実質は減る。
社会保障医療・年金・介護など、国が生活を支える仕組み。少子高齢化で負担が増加している。
自己責任論「うまくいかないのは自分のせい」とする考え方。社会の変化を無視してしまうこともある。
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