なぜ“失われた30年”は起きたのか?働く私たちがこれからを変えるために


「頑張っているのに、なんだか報われない」
そんなふうに感じたこと、ありませんか?

気づけば、バブル崩壊から30年以上。
景気は思うように回復せず、物価は上がっても給料は伸びない。
「日本経済って、ずっと停滞してない?」
そんな違和感の正体こそが、「失われた30年」です。

でもこれは、遠い“国の話”ではなく、今を生きる私たちの暮らしや働き方に直結している現実です。
そして、その先にある未来は、これから自分で選び取ることができます。


「失われた30年」とは?

日本だけが、取り残された

1990年代はじめ、バブルが崩壊したあと、日本経済は長い低迷に入りました。

  • 賃金は上がらず
  • 物価は伸び悩み
  • 若者の就職氷河期が続き
  • 働き盛りの世代も昇進や昇給が頭打ちに

🔍 世界との比較で見ると

国名平均GDP成長率(1990〜2020)
アメリカ約2.5%
ドイツ約1.7%
韓国約4.5%
日本約0.9% ←唯一の低水準

世界は走り続け、日本だけが立ち止まっていた。
これが「失われた30年」と呼ばれるゆえんです。


他国はどうやって回復したのか?

世界の国々も、日本と同じように「経済危機」に直面したことがありました。
でも、そのあとが違いました。

✅ アメリカ・欧州
  • 中央銀行による迅速な金融緩和(QE)
  • 産業や金融機関への公的支援
  • ベンチャー支援・IT分野の成長で再浮上
✅ 韓国・台湾・中国
  • FTA戦略で海外市場を積極開拓
  • 産業育成・イノベーション支援でグローバル競争へ
  • スタートアップ支援、大学と企業の連携が進む

日本はなぜ変われなかったのか?

原因は一つではありませんが、特に大きかったのは以下のような点です

  • 不良債権処理や金融緩和の対応が遅れた
  • 規制緩和や構造改革が先送りされた
  • 成長分野への投資が十分にできなかった
  • 「痛み」を避けることが優先され、大胆な決断が取れなかった

「私たちへの問い」

「失われた30年」は、国の対応の遅れとして語られがちですが、
その中で私たち一人ひとりも“動けなかった”側だったのかもしれません。

  • 転職やスキルアップを迷って先送りした
  • 会社に依存しすぎて、自分で動くことを忘れていた
  • 「今のままでいい」と変化を避けていた

そんな経験、誰にでもありますよね。


「これから」は選べる

過去は変えられません。でも、未来は選び取ることができます。

そして、そのために必要なのは、
✅ 大きな一歩ではなく
✅ 小さな気づきと行動です。


今日のちいさなおくりもの

今の日本や世界のニュースを、一つだけ読んでみてください。
そして、思ったことを誰かと話してみましょう。
それだけで、“選ぶ力”が育ち始めます。

「変われなかった国」でも、
「変わろうとする個人」は、いつだって未来をつくることができます。

あなたの一歩が、きっと明日を変えます。

💡専門用語のやさしい解説(今回登場した言葉)

用語意味
GDP(ジーディーピー)「国内総生産」のこと。国の経済の元気さを表す数字です。モノやサービスを作って売った分の合計額で、「国のお給料」みたいなものです。
金融緩和(きんゆうかんわ)お金を借りやすくして、世の中にお金を回す政策のこと。景気が悪くなったときに、企業や人がもっとお金を使えるようにするための方法です。
不良債権(ふりょうさいけん)返してもらえなくなった借金のこと。銀行がたくさん抱えると、経済全体が不安定になります。
構造改革(こうぞうかいかく)古い制度やしくみを、今の時代に合った形に変えること。「変えたほうがいいとわかっているのに、変えられない仕組み」を見直すことです。
ベンチャー支援新しい会社(スタートアップ)を応援する制度や仕組みのこと。挑戦する人が育つと、国の経済も元気になります。
FTA(自由貿易協定)国と国の間で「お互いに関税をやめよう」「もっと自由にモノを売り買いしよう」と約束する協定です。輸出や輸入がしやすくなり、経済のチャンスが広がります。
中央銀行(ちゅうおうぎんこう)日本で言えば「日本銀行」。国のお金の流れをコントロールする役割を持つ、いちばん大きな銀行です。
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