「選挙なんて当たり前」と思いがちですが、
実はこの仕組み、昔からあったわけではありません。
選挙は、たくさんの人が戦い、声をあげて勝ち取ってきた仕組み。
今日は、そんな「選挙のはじまりの物語」を、
世界と日本、それぞれの歴史からご紹介します。
世界の選挙のはじまり
♦昔は王様や貴族が全て決めていた
昔の世界は、ほとんどが「王様や貴族が決める政治」でした。
庶民の声は無視されるのが当たり前。
♦不満が爆発!市民革命がカギ
「それはおかしい!」と声をあげたのが市民たち。
大きな転機となったのが、市民革命です。
♦イギリスの名誉革命(1688年)
王様が勝手に政治をするのを止めさせ、
議会の力を強くした革命。
→ 議会政治の始まり
♦アメリカ独立革命(1776年)
イギリスの支配に反発して独立。
「代表なくして課税なし」という有名な言葉が生まれる。
→ 「税金を払うなら政治に口を出す権利がある!」という考えが広まる
♦フランス革命(1789年)
「自由・平等・博愛」を掲げ、王様の権力を終わらせた革命。
→ 人々が政治の主役になれる時代へ
例え話:家のルール会議
昔は家のルールをお父さんが全部決めるようなもの。
でも家族で「みんなで決めよう!」となったのが、選挙の始まりです。
「選挙=みんなで決める」考えが世界に広がった
市民革命を経て、各国が少しずつ「選挙」という仕組みを取り入れていきました。
でも最初はまだまだ不平等でした。
♦初期の選挙の問題点
- 財産のある男しか投票できない
- 女性には投票権がない
- 黒人や先住民も排除されていた
♦平等への長い道
①女性参政権の獲得
- ニュージーランド:世界で初めて女性の投票を認める(1893年)
- アメリカ:1920年に女性の参政権が認められる
②人種差別の克服
- アメリカ:1965年、黒人の投票権を保障する「投票権法」成立
例え話:学校の委員決め
昔はクラスで委員を決めるとき、
「男子だけで決めよう」みたいな状態。
でも「女の子も入れようよ」「みんなで決めようよ」と
変わっていったのが選挙の進化です。
日本の選挙のはじまり
明治維新がスタートライン
日本も、昔は殿様や幕府がすべて決めていました。
でも江戸幕府が倒れ、明治時代に大きな変化が起こります。
1889年:大日本帝国憲法制定
- 日本で初めて憲法ができる
- 国会(帝国議会)が作られる
- 選挙も初めて導入される
1890年:初めての選挙
- ただし、投票できたのは お金持ちの男だけ
- 有権者は人口のわずか1%程度
徐々に広がる選挙権
大正デモクラシー(1910年代~20年代)
「もっと多くの人に投票させろ!」という声が高まる
→ 1925年、 25歳以上の男子すべて に選挙権が広がる
女性参政権(1945年)
- 戦後、女性にも選挙権が認められる
- 1946年、女性が初めて投票・立候補
年齢の引き下げ
- 2016年:投票権が20歳→18歳へ引き下げられる
例え話:入場制限の厳しい遊園地
最初の選挙は「VIPしか入れない遊園地」みたいなもの。
でも徐々に「みんなが入れる遊園地」に変わっていきました。
選挙が「当たり前」になるまでの努力
選挙権を得るために戦った人々!
- 女性運動家
- 労働者たち
- 差別を受けた人々
彼らが声を上げ続けたから、
私たちが今、当たり前に投票できるのです。
例え話:バトンを受け継ぐ
選挙権は、先人たちが必死でつないできた バトン。
私たちはそのバトンを受け取って、未来に渡す役割を持っています。
まとめ|選挙は「声をあげた人々の歴史」
✅ 昔は王様や貴族しか政治を決められなかった
✅ 世界で革命が起き、「みんなで決めよう」という流れに
✅ 日本でも明治から少しずつ選挙権が拡大
✅ 選挙権は多くの人の努力のたまもの
選挙は「行くのが面倒」なものじゃありません。
それは、先人たちが命がけで勝ち取ってきた、
私たちの「声を届ける権利」 なんです。
次に投票所へ行くとき、
少しだけ、そんな歴史に思いを馳せてみてくださいね。
よくある質問(FAQ)
Q. 昔は誰も投票できなかったの?
A. 王様や貴族だけで政治を決めていました。市民に権利が広がったのは近代以降です。
Q. 女性はなぜ投票できなかったの?
A. 「女性は政治に向いていない」という偏見が長くありました。女性たちが戦って権利を勝ち取ったんです。
Q. 日本で女性が投票できるようになったのはいつ?
A. 1945年の戦後改革からです。初めての女性の選挙は1946年でした。