~過去の後悔がやさしい力に変わるとき~
もし、過去の自分に会えるとしたら
どんな言葉をかけますか?
「もっと頑張れ」でも「なんであのとき…」でもなく、
わたしはこう言いたいのです。
「あのとき、よくがんばったね。ありがとう」
忘れられない20代のころのあの決断。
苦しかった30代のあの時期。
40代になった今、振り返ると、
あの選択があったから、いまのわたしがいる
自分を責めるクセがある人ほど、
この“ひとこと”が人生を変えます。
40代にふと訪れる「自己否定の波」
40代になると、若い頃のような明確な目標が見えにくくなります。
昇進や転職、資格取得——目指すゴールがはっきりしていた20代・30代と違って、日々の暮らしに埋もれていくような感覚。
そして気づけば、こんな言葉が心に浮かぶようになりました。
「わたし、何も達成してないかも」
「みんな前に進んでるのに、自分だけ置いていかれてる」
でも、それはきっと違う。
子育てや仕事、家族のことに懸命になってきた日々。
「自分を後回しにしながらも、歩みを止めなかった時間」こそが、何よりの証です。
自己否定の波がきたときこそ、「よくここまで来たね」と、自分にひとこと声をかけてあげてほしい。
それは、あなたが生き抜いてきた証なのだから。
わたしが“再起動”を感じた瞬間
あるとき、引き出しの奥から昔の手帳を見つけました。
20代の頃に書いていた、ちょっと青臭くて、でもまっすぐな言葉たち。
「こんなふうになりたい」「いつかこんなことをしたい」
たどたどしい字で綴られた夢や目標が、そこにはたくさん残っていました。
正直、叶わなかったことも多いです。
だけど、読んでいるうちに泣きそうになったんです。
「あのときのわたし、がんばってたな」って。
不器用だったけど、必死だった。
うまくできなくても、自分なりに精一杯だった。
それを思い出した瞬間、心がふっと軽くなりました。
過去のわたしと和解できたとき、わたしは再起動できた気がしたのです。
「自分再起動」のために40代でできる3つのこと
① 過去を「評価」ではなく「感謝」で見る
「どうしてあのとき、あんな選択をしたんだろう」
そんなふうに振り返ってしまうこともあります。
でも、あのときの自分は“いまの知識”なんて持っていなかった。
だからこそ、その時なりに、全力で生きていたことを認めてあげてください。
失敗も、遠回りも、ぜんぶ含めて、今の自分をつくってくれた大切な経験なんです。
② 小さな“始まり”を設ける
「何か始めたいけど、何をしていいかわからない」
そんなときは、大きな目標じゃなくて“自分との時間”を少しだけ増やすことから。
たとえば…
- 1日5分の散歩
- お気に入りのノートに日記を書く
- 読みたかった本を読む
小さな習慣が、自分とのつながりを取り戻す“起動スイッチ”になります。
③ 「人と比べる思考」から「昨日の自分との対話」へ
SNSを見れば、誰かのキラキラした日常が流れてきます。
でも、それを見て「わたしは何もできていない」と思ってしまうなら、いったん距離を置く勇気も大切。
本当に大事なのは、「昨日の自分」とどう向き合うか。
「今日はちゃんと自分を大切にできた」
そんな日が一日でも増えていけば、それはもう立派な再起動です。
40代からでも遅くない、むしろ“ちょうどいい”
いろんな経験をしてきた40代だからこそ、
「何を選ぶか」「どう生きるか」の判断が少しずつできるようになってきます。
若い頃のように“がむしゃらに進む”のではなく、
「整える・見つめ直す・自分に戻る」ことに価値がある時期。
焦らなくていい。
少しずつ、自分のペースで始めていけばいい。
再起動は、決して“生まれ変わること”ではありません。
「もう一度、自分を信じてみる」こと。
それだけで、景色はゆっくりと変わっていきます。
おわりに
20代や30代の自分を、ようやく愛おしく思えるようになりました。
不器用でもがんばっていた過去が、今のわたしを支えてくれています。
「もう一度、自分を信じてみよう」
そう思えたとき、再起動のサインが灯ります。
どうか今日という日が、あなたにとって、
“新しいわたし”の始まりになりますように。